ご挨拶

第48回 日本アーユルヴェーダ学会 研究総会 大会長 西谷 雅史

このたび、第48回日本アーユルヴェーダ学会東京研究総会を、2026年10月31日・11月1日の二日間にわたり、大崎ブライトコアホールにて開催する運びとなりました。本大会のテーマは「社会に息づくアーユルヴェーダへ 〜暮らしの中から広がる共生の智慧 〜」です。

アーユルヴェーダは、単なる伝統医学や代替医療ではなく、人間を心・身体・環境を含めた全体として捉える「生命科学」としての体系を有しています。一方、現代西洋医学は、唯物論的科学に基づき、診断・治療技術を飛躍的に進歩させてきました。本大会で私たちが目指すのは、これら二つの医療体系を対立させることではなく、それぞれの強みを活かしながら、調和的に統合していく「共生」のあり方を探究し、その智慧を社会に実装していくことです。アーユルヴェーダが重視してきた予防、体質理解、生活指導、セルフケアの考え方は、日本人の暮らしや文化とも親和性が高く、日常生活の中に無理なく取り入れられる健康の智慧であると考えています。同時に医療現場においては、アーユルヴェーダ医による診断・処方・治療体系を、西洋医学の医師や医療体制が支え、補完し合う形で協働していくことこそが、これからの「共生医療」の一つの姿ではないでしょうか。

本大会では、こうした理念を語るだけでなく、暮らしの中で、医療の現場で、どのようにアーユルヴェーダを組み込み、機能させていくのか。その具体的な展開と発展の「実装モデル」を提示することを目的としています。その実現には、医師や研究者のみならず、製品・サービス・技術を通じて社会と医療をつなぐ産業界との協働が不可欠です。本大会が、学術・医療・産業が垣根を越えて出会い、対話し、共に未来を構想する場となることを願っております。

本研究総会が、アーユルヴェーダの智慧を「学術の中」だけでなく「社会の中」へと息づかせる一歩となることを心より祈念し、皆さまのご参加、ご協力をお願い申し上げます。

第48回 日本アーユルヴェーダ学会 研究総会
大会長 西谷 雅史